小説

『祈り』多田正太郎(昔話『雨乞い』など)

イケメン研究員の、でかい声。
なにか質問あるか!
ハーイ! ハーイ!
話さー、中途半端だよー! 
カッパになれたのかよ、人間がさー?
効き目、一番強い祈り、知ってるのかよ?
タジタジの、イケメン研究員。

ハハハハハ、そういう突っ込み。
得意なガキ、多いからなぁ。
必ず、リーダー挌、のがよ。
いる、いる、ハハハハ。
そのおかげでよ、旅銭よ。
ああ、そうだった、そうだった。
突っ込みガキ、さま、さま、だぜ。
おお、さま、さま、だ、ハハハハ。

湖畔に座る、二つのシルエット。
頭の皿が、夕日に光る。
そこに、荘厳な感じの曲が、流れだす。

この曲、どっかで耳にしたことあるな。
ワグナーよ。
ワグナーったら、よ、有名な音楽家だろ。
ああ、そうだな・・。
どうした? そうだなーって、よ。
なんか含み、感じるけど、よ。
まぁ天才の一人だろな。
へー、天才とはすごいなぁ。
ああ、そうなんだが、よ。
なんだ、なんだ、さっきからよ。
なにかこう、もやもや。
そんな感じの、言い方、っポイな。
うーん、いろいろな。
いろいろ?
魔性よ。
魔性だとー?

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