小説

『祈り』多田正太郎(昔話『雨乞い』など)

ああ、幸せ者よ、お前は、な。
おちょくって、よ、いるのかよ、俺を!
なんでだ、幸せ者、最高だろ。
理由、言ってみろよ!
俺が、幸せ者だって、言うよ。
ハハハハ、単純よ、祈りさ。
祈り?
ああ、祈り。
分からん。
祈る、必要、そういうシーンが、よ。
生きてきた、いやいや、生きてる。
場面で、よ、感じないで済む。
それは、幸せ者、その証拠よ。
おいおい、まてまて。
祈りカッパ、これトレードマークだぜ。
俺の、れっきとしたな、正式のだ!
登録の手続きとか、これからだけど、よ。
ハハハハ、祈りカッパなぁ。
トレードマークなぁ、ハハハハ。
おっおっ、笑ったな。
まぁ、いいけどな、これは正式の正式よ。
分かった、分かった。
とにかく安心したぜ、友よ。
祈りなき友、これは存在しないのよ。
俺には、な、決してな。
話、随分、横道にずれ込んだぞ。
とにかく、よ、研究所からの委託。
カッコ、つけれそうだしな。
まぁ、旅銭のたしになったわけだし。
洋の東西の祠、訪ね歩き、祈り探索旅。
最も効き目のある、祈り、事調べとか。
人間界の様子を、探ってよ。
レポートな、中間報告だけど、よ。
イケメン研究員に、な、ハハハハ。

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