小説

『特異体質』小野塚一成(『ピノキオ』)

 なんとかして彼と仲良くなりたい。いや、そんな友達のような間柄でなくお付き合いしたい。彼氏になって欲しい。ああ、なんかすごく恥ずかしい。こんな感覚いつ以来だろう。
 とりあえずメールしてみよう。わかりやすく「好意を持っていますアピール」をしつつ、面倒くさく邪魔くさく感じられないような。内容なんて恥ずかしくてここには書けません。ドキドキしつつ送信。ああ、送ってしまった。どうなるのだろう?彼はどう思いながらこのメールを見るのだろう?

 先日の合コンで気になる子からメールが来た。内容は「先日はとても楽しかったです。波長が合うような気がしました。また会いたいです!」的なものだ。正直嬉しい。基本的に感情を表に出すことが出来ないので、彼女にはあまり良い印象を与えられなかったのではないだろうかと心配していたが、なんとか大丈夫だったようだ。ありがたい。なので、こちらからは素直に「メールありがとう、嬉しいです。近いうちに是非また会いたいです。今度は合コンじゃなくて二人で」とメールで伝えてみた。これならばストレートに好意を持っていることに気付いてくれるだろう。正直かなり恥ずかしいが、そんなことはどうでも良い。本当にまた会いたいのだから。なぜか彼女は他人とは思えない。接した時間は長くないが、なんとなく心の底から分かり合えるような気がするのだ。

 メールを送って一時間もしないうちにユウキさんから返事が来た。内容はすごく良い感じだった。嬉しい!うん、鉄は熱いうちに打てだ。すぐさま次に会う日時の提案をした。合コンの席で、彼の次の休みの日は把握済み。日程は問題ないはず。二人で雑貨屋さんとかカフェを回りませんか的なお誘いのメールを送った。うまくいけば良いな。

 メールを返してさほど時間も経たずに彼女から返事がきた。是非とも二人で会いましょう的な。ああ嬉しい。だが大丈夫だろうか。果たしてうまくいくだろうか?いや、もう細かいことは気にしないことにしよう。本能が「彼女と一緒にいなければ」と訴えている。早速「はい、会いましょう!」の返事を送る。彼女ならば俺の奇妙な体質を打ち明けても受け入れてくれるような気がする。
 そう、俺は普通の人間とは少し違うのだ。なぜならば・・・いや、やめておこう。生まれ持った体質を今更気にしても仕方ない。

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