小説

『幸福の青いカラス』エルディ(『青い鳥』)

 床に尻もちをついているわたしと吉田んくんのまわりを鳥が不気味な静けさで囲んでいました。これって、あの映画と一緒だ。
 しかも、ちょうどわたしの手もとに「青い烏」がとまっていました。右手につまんでいた吉田くんのヒゲを「烏」という字の頭のところに置きました。横棒の長さとしてはたりないけれど、なんとか「烏」が「鳥」になりました。
 あー、これで問題解消! 「青い鳥」も吉田くんも。

「痛たたあー。あーあ、もうめちゃくちゃ。どうすんだよ?」と吉田くん。
「え?」
  吉田くんはとてもさわやかな苦笑いを浮かべています。
「書き初めが全部とれちゃったじゃん。めちゃくちゃだ。どうすんだよおー」
 どうするって言われても……うん、確かにめちゃくちゃ……私だってめちゃくちゃ大好きです。

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